「下請負業者編成表」は、下請業者が元請業者に提出することを義務付けられているグリーンファイル(安全書類)のひとつで、どのような会社が工事に関わっているのかを、わかりやすくした示した書類です。ここでは「下請負業者編成表」の正しい書き方について記入例をもとに解説します。
この記事はこんな読者におすすめ
- 下請負業者編成表の内容や作成する目的を知りたい
- 下請負業者編成表の正しい書き方を知りたい
- 下請負業者編成表は誰が作成すればいいのか知りたい
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目次
1. 下請負業者編成表とは
下請負業者編成表とは、工事に関わっている会社名と工事内容、各現場の責任者名などが明記されている書類で、建設業法に定められた約20種類のグリーンファイルのひとつです。一次下請業者がすべて記入し、元請業者に提出します。元請業者は下請負業者編成表をもとに現場に掲示する施工体系図を作成しますので、間違いや漏れなどがないように記載します。
一次下請業者は、二次以下の下請業者から回収した「再下請負通知書(変更届)」を元にその内容を下請負業者編成表に転記するのが、より正確で効率的です。
下請負業者編成表は一次下請業者に作成義務があるので、二次以下の下請業者は作成する必要はありません。また、自社が一次下請業者であっても、下位の下請業者がいない場合は作成する必要はありません。
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2. 下請負業者編成表の書き方
ここでは「Buildee書式」をもとに解説します。
下請負業者編成表を作成する際、一次下請業者の欄から二次以下の下請負業者の欄を実線で結び、契約の流れを明示します。記入項目は以下に示す通りです。表によっては登録基幹技能者の欄がある場合がありますが、この欄への記入は任意です。
工事(①参照)
「型枠」や「鉄筋」など請負った工事の種類を記載します。
会社名(②参照)
会社名は省略せず、その会社の登記された正式な名称を記載します。
一人親方など個人事業主の場合は個人名を記入します。事業者IDにはCCUS(建設キャリアアップシステム)の事業者IDを記入します。
代表者名(③参照)
会社の代表者名、または個人事業主名を記入します。
建設業許可番号(④参照)
「一般」「特定」のいずれかと許可業種の建設業許可番号を記入します。
安全衛生責任者(⑤参照)
現場の安全衛生の状況を把握し、指導をおこなう責任者の氏名を記入します。
特に必要な資格はありませんが、安全衛生責任者教育を受講し、現場に常駐する現場代理人や主任技師、職長などから選任されます。
主任技術者(⑥参照)
施工状況の管理・監督をおこなう主任技術者の氏名を記入します。
建設工事であれば元請業者・下請業者にかかわらず、工程管理や品質管理など技術上の管理をおこなう主任技術者の配置が義務付けられています。主任技術者として選任するには指定国家資格の1・2級を保有しているか、一定期間以上の実務経験が条件となります。なお、工事一件の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の「公共性のある施設や工作物」と「多数の人が利用する施設や工作物」の場合、主任技術者は対象現場の専任であることが義務付けられています。
専門技術者(担当工事内容)(⑦参照)
請負った工事に附帯工事が含まれる場合、その工事について主任技術者の資格を持つ専門技術者の氏名と担当する工事の内容を記入します。
元請業者が「一式工事」を施工する場合において、その一式工事に専門工事が含まれるときは、その専門工事に主任技術者の資格を持つ「専門技術者」を配置しなければなりません。この場合と同じく、下請負業者が請負った専門工事に含まれる「附帯工事」にも、専門技術者を配置することが建設業法により義務付けられています。
特定専門工事該当の有無(⑧参照)
特定専門工事とは「下請負代金の合計額が4,000万円未満の型枠工事と鉄筋工事」のことを指し、その「有・無」について〇を付けます。
これは令和3年4月の改訂5版から追加された項目で、令和2年10月に施行された改正建設業法第26条の3「特定専門工事一括管理施工制度」に該当するかどうかをチェックする項目です。
この制度では、元請業者の主任技術者が下請請負業者の施工管理業務を兼ねることが可能で、その場合、下請負業者は主任技術者を置かなくともよいとされています。
つまり特定専門工事が「有」で下記すべての条件を満たしている場合は、下請負業者の主任技術者を置く必要がなく、元請業者の主任技術者が兼務することが可能ということです。
本制度を利用するための条件は以下の通りです。
- 元請業者は工事発注者に書面で承諾を得ておく
- 元請・下請間で書面による合意が必要
- 元請業者の主任技術者が該当する下請負工事の主任技術者としての要件を満たしていること
- 元請業者の主任技術者は専任であること
- 主任技術者を置かない下請負業者が再下請をすることは禁止
工期(⑨参照)
工期の欄には各下請負業者が請負った工事の工期を記入します。工事全体の工期ではありませんので注意してください。
下請負業者編成表は、元請業者が作成する施工体系図のもととなる書類ですので、間違いのないよう正確な記入を心がけましょう。二次以下の下請業者から回収した再下請負通知書(変更届)を参照し、確認しながら記入することをおすすめします。
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