建設現場に持ち込んで使用する機械や電動工具は、扱い方を誤るとケガや事故につながる危険性があります。これらの機械・工具の安全性を管理し、ケガや事故を未然に防ぐために作成する大切な書類が「持込機械等使用届」です。ここでは、持込機械等使用届を作成する目的や書き方、記入例などを詳しく解説していきます。
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- 持込機械等使用届という言葉は知っているが、どのような書類なのかわからない
- 持込機械等使用届の書き方を詳しく知りたい
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目次
1. 持込機械等使用届とは?
持込機械等(電動工具・電気溶接機等)使用届とは、建設現場に持ち込んで使用する機械の状態を工事前に点検して、安全性を証明するために作成する書類です。実際に現場で機械を使用する一次下請以下の会社が作成し、元請会社に提出します。記入する内容は、大きくわけて持込機械の概要と点検表のふたつです。
基本フォーマット
A3サイズ横向きか、A4サイズの両面もしくは2枚を使用します。用紙のサイズなどは元請会社によって異なるので、指示に従ってください。
自社の機械もレンタルした機械も書類が必要
自社の機械に限らず、レンタルした機械を使用する場合もこの書類を作成しなければなりません。この書類を作成する目的が、現場に持ち込んだすべての機械の安全性を証明することにあるので、レンタルした機械も自社の機械と同様に扱う必要があるのです。
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2. 持込機械等使用届の書き方・記入例
ここでは持込機械等(電動工具・電気溶接機等)使用届の参考様式第6号の基本フォーマットをもとに、各項目の書き方を解説します。
フォーマット左ページ上部には、提出年月日、事業所の名称、所長名、一次会社名、持込会社名、代表者名、電話番号を記入します。以下、左ページ下部の持込機械の概要の書き方、右ページの持込時の点検表の書き方について詳しく見ていきましょう。
機械名
機械名は持ち込む機械の商品名ではなく、「電動丸のこ」「ウインチ」など機械の分類名を記入します。分類名がわからないときは、「持込時の点検表」の欄外右上に記載されている機械名を参考にするといいでしょう(記入例①)。
規格・性能
持ち込む機械のボルト数(V)、ワット数(W)のほか、以下のように、機械によってほかに特記すべき内容があればそれを記入します(記入例②)。
- ウインチ…対応する重量
- アーク溶接…電圧と電流
- ポンプ…口径と揚程(ポンプが水をくみ上げることができる高さ)
機械名が同じでも大きさや性能は機械ごとに違うので、記入の際は取扱説明書を確認するなどの注意が必要です。
管理番号・受理番号
枠内上部の管理番号欄には、機械を使用する会社が自社で設定した機械の管理番号を記入します。下部の受理番号欄は元請会社が記入するので、書類作成時には空欄にしておきます(記入例③)。
持込年月日・搬出予定年月日
該当する機械の現場への持込年月日と搬出予定年月日を記入します。工事の終了がいつかわからない場合は、搬出予定日は空欄のままで問題ありません(記入例④)。
点検者・取扱者
持込機械を点検する人、取り扱う人の名前をフルネームで記入します。点検者と取扱者は、同一人物でなくてもかまいません(記入例⑤)。特に点検者は点検の確実性を保証するためにも、その機械に詳しい人物が適任でしょう。取扱者が複数いる場合は、全員の氏名を記入する必要があります。
機械の特性、その使用上注意すべき事項
機械の使用にあたって、元請会社に事前に用意してもらいたい設備、元請会社に伝えて共有しておくべき事項などを記入します(記入例⑥)。
持込時の点検表
持込時の点検表には、点検事項と番号があらかじめ記入されています。この番号は、表面の持込機械の概要記入欄の番号と対応しています。機械の点検をおこない、問題がなければ対応する番号の点検事項欄にレ点でチェックを入れていきます。点検事項のうち、「絶縁抵抗測定値」はチェックを入れるのではなく、点検を実施した際の測定値(MΩ)を記入します(記入例⑦)。
機械によっては、あらかじめフォーマットに記載されている項目だけでは安全性を確認することができないことがあります。その場合は、表の下部にある「その他」の欄に点検事項を追記して、チェックを入れます。たとえばコンプレッサーの場合は、「圧力スイッチ」「安全弁」「圧力計」の3項目を追加します。
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3. 持込機械等使用届の処理
「持込機械等使用届」を元請会社に提出すると、ステッカータイプの「持込機械届済証」(もしくは「持込機械届受理証」など)が機械ごとに発行されます。「持込会社名」「取扱者」「受付年月日」「受付No.」「使用期間」「事業所名」欄に必要事項を記入して、該当する機械の見やすい部分に貼り付けたら、機械持ち込み前の手続きは完了です。持込機械届済証をなくしたり、貼り付けるのを忘れたりすると作業ができなくなることもあります。取り扱いには十分注意してください。
元請会社によっては、受付番号のみを発行し、ステッカーを発行しないところもあります。その場合は、自社でステッカーを用意する必要があります。
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