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施工体制台帳作成建設工事の通知とは

建設工事では元請け事業者が、工事施工に携わるすべての下請け事業者の情報を把握、施工体制を管理することが求められています。これは、不適格な事業者の参入を防ぎ、安全かつ効率的に施工を進めるのが目的です。元請け事業者には「施工体制台帳」の作成が義務付けられていますが、実際は多数の専門事業者の下請け構造になっているため、すべての事業者の情報を集めることは容易ではありません。そこで下請け事業者に対し「施工体制台帳作成工事(施工体制台帳の作成を要する建設工事)である旨を通知し、情報提供を義務付けています。
ここでは、下請事業者に交付する必要のあるグリーンファイル(安全書類)のひとつである「施工体制台帳作成建設工事の通知」について、通知の方法や書き方などを詳しく解説します。

この記事はこんな読者におすすめ

  • 「施工体制台帳作成建設工事の通知」とは何かがわからない
  • 「施工体制台帳作成建設工事の通知」を交付する理由がわからない
  • 「施工体制台帳作成建設工事の通知」の書き方がわからない

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1. 施工体制台帳作成建設工事の通知とは

「施工体制台帳作成建設工事の通知」とは、建設業法(昭和24年法律第100号)第24条の8に基づき、その工事が施工体制台帳の作成が必要な建設工事であることを、すべての下請事業者に通知することです。

誰が、誰に対していつ通知するのか

「施工体制台帳作成建設工事の通知」は、元請け事業者をはじめ、すべての建設事業者が、下請け事業者に工事を発注する際に、当該工事が施工体制台帳作成建設工事であることを書面で通知します。下請け事業者が重層化している場合は、一次下請け事業者は二次下請け事業者へ、二次下請け事業者は三次下請け事業者へと通知します。

どのような工事の際に通知するのか

元請け事業者に施工体制台帳の作成義務が生じ、下請け事業者に対して、その旨を通知する工事は以下の通りです。

公共工事 下請契約の金額に関わらず、すべての建設工事
民間工事 下請契約の総額が4,500万円以上の建設工事
(建築一式工事については7,000万円)

何をどのような方法で通知するのか

下請事業者に対して、以下の3つの事柄を記載した書面で通知し、現場の見やすい場所に掲示しなければなりません。

  1. 施工体制台帳を作成する元請け事業者の商号または名称
  2. 下請け事業者が請け負った建設工事を、ほかの建設業に再下請負をした場合に、再下請負通知を行わなければならないこと
  3. 再下請負通知に係る書類の提出先
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2. 施工体制台帳作成建設工事の通知の書き方と記入例

では、実際の通知はどのように書けばよいのでしょうか。

日付

「施工体制台帳作成建設工事の通知」の交付日です。決まりはないですが、一般的には和暦で記入します。不明な場合は空白で提出します。

会社名

元請け事業者の会社名を記載します。

事業所の名称

工事を担当する現場名や作業所名を記載します。

元請名

元請け事業者の会社名を記載します。

発注者名

工事の発注者名を記載します。

工事名

元請け事業者が担当する工事名称を記載します。

監督員名

発注者である元請け事業者の作業所長または工事部長などの氏名を記載します。

権限及び意見申出方法

監督員の権限および監督員への意見の申出方法を記載します。

提出先及び担当者

グリーンファイル(安全書類)の提出先の会社名と住所、および担当者の氏名を記載します。発注者を通して提出する場合もありますが、通常は元請け事業者の担当者になり、工事に関する不明点などの問い合わせ先になります。

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3. 施工体制台帳作成建設工事の通知のポイント

なぜ、下請け事業者に施工体制台帳作成建設工事の通知をする必要があるのでしょうか。建設業法24条の8で「下請人は、その請け負つた建設工事を他の建設業を営む者に請け負わせたときは、国土交通省令で定めるところにより、同項の特定建設業者に対して、当該他の建設業を営む者の商号又は名称、当該者の請け負つた建設工事の内容及び工期その他の国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。」という規定があるため再下請通知書等の提出義務が生じています。下請人にこの義務が生じているため、元請は施工体制台帳作成建設工事であることを通知する必要があります。

また、元請け事業者が、下請け事業者より提出された再下請負通知書を踏まえて、施工体制台帳を作成することで次のようなトラブルの発生防止につなげられます。

  • 建設工事の施工上のトラブル
  • 不良、不適切事業者の参入
  • 建設業法違反
  • 安易な下請け構造の重層化
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