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導入事例 調整会議 労務安全 入退場管理

株式会社安藤・間 様

Buildee 3サービスを全社的に展開を開始
現場でもサービスの連携による効果を実感

安藤ハザマでは、2019年4月から「Buildee調整会議」の全国的な導入を開始、本社や支店のサポート体制を整え利活用を推進し、2021年秋には全国の建築約80現場で活用するまでになりました。その成果を受け、2021年7月には「Buildee労務安全」と「Buildee入退場管理」を加えた3サービスでの全社導入を決定、順次導入を進めています。この3サービスを組み合わせて利用している現場では、各サービスが連携することによる効果も含め、高く評価されています。

導入前の課題

作業間連絡調整会議に時間がかかり、追加の打ち合わせが発生することも

安藤ハザマでは2020年2月に策定した長期ビジョン「安藤ハザマVISION2030」において、「イノベーションの加速で新たな価値を創造」との基本方針を定めています。本業である建設事業においては「受注力×現場力×収益力の更なる強化」を図り、また事業ポートフォリオの変革に向けて建設以外の新規事業としてエネルギー関連を核とした新たな収益源の確立を目指すことで、事業の2つの柱とすべく体制整備や成長投資を進めています。

その重点施策の一つには働き方改革も含まれています。安藤ハザマでは、働き方改革に関連した取り組みを以前から行っており、例えば現場における作業間連絡調整会議の効率化も、その一つです。安藤ハザマ建設本部建設統括部建設企画部建築企画グループグループ長の鈴木克史氏は、以前の課題を以下のように説明します。

「10:00~10:45に安全当番が現場を巡回しながら職長たちに翌日の作業内容を確認、10:50~11:20に作業日誌やKY書類を作成・印刷し、11:30からの昼の打ち合わせの準備をします。これらの書類を使って工事安全打ち合わせを行いますが、協力会社が1社ずつ順番に説明するため、報告だけでも時間が必要です。作業間連絡調整会議には30分ほどかかり、調整しきれなかった場合は追加で10~15分ほどの打ち合わせが発生していました」

導入の経緯

大型物流倉庫でのデモ運用を経て全国の新築建築現場でBuildee 調整会議を導入

この課題に対し安藤ハザマが選んだシステムが、Buildee調整会議でした。まず2018年8月から、大型物流倉庫の建築工事においてBuildee調整会議のデモ運用を実施。この結果を受け、全社運用に向けて作業日誌やKY用紙のカスタマイズを行い、2019年4月から全国の新築建築現場で導入を進めていきました。その動きに並行して現場への定着推進を図るべく、社内ポータルサイトにBuildeeの専用ページを設け、各支店に担当者を置いた上で、各支店や現場で説明会を実施、さらに運用意識向上のために、さまざまな現場での使い方を紹介する『Buildeeレポート』を作成・配信するなどの工夫も行っています。こういった体制や取り組みにより、多くの現場に受け入れられてきました。

「Buildee調整会議を使うようになってからは、当日10:30までに職長や作業員がそれぞれ翌日の予定を入力するため、大まかな予定が完成します。昼の打ち合わせ本番では、1社ごとに説明する必要もなく、事前に作業エリア重複などを調整しておけることもあって15~20分ほどで終了します。打ち合わせのスタート時間を遅くすることができるので、作業時間が確保できます」と、鈴木氏はその効果を評価しています。

そして2021年7月、安藤ハザマではBuildee調整会議に加え、Buildee労務安全、Buildee入退場管理の2サービスも合わせた3サービスの全社導入を決定しました。ITツールの統合整理により現場の業務負担を軽減できることや、CCUSタッチ率向上への期待感に加え、リバスタとの協力関係や本部サポートチームの体制が確立してきたことなどが、その背景にあります。

導入効果

3 サービスが連携しているため必要な情報の確認が容易

Buildeeの3サービス全てを利用している東京都下、RC造2階建ての福祉施設改築工事現場にて、その活用状況を伺いました。

作業所長の池田敬輔氏は、Buildeeの各サービスについて、以下のように評価しています。

「Buildee調整会議を利用することで、職長参加型の現場になっていると感じます。協力会社の人たちが主体となって入力して、Buildee上で調整が行われているのです。打ち合わせは15分ほどで終わるようになりました。以前はExcelワークシートで作成していたKY用紙も、Buildeeで作成することによって時短につながっているほか、施工体制に係わる資料に於いても、施工体制パトロール等での検査で内容的に高い評価を得ています。3サービスの中で一番良いと感じる点は顔認証を組み合わせた入退場管理ですね。以前は工程が進んで協力会社が入れ替わるたびにカードを発行する必要がありました。それに加えて、忘れてきた、紛失したなども珍しくなかったので、形だけの入退場管理になってしまいがちでした。それに対しBuildeeの入退場管理は作業員名簿と顔認証、さらにCCUSまで連携しているので管理しやすく、継続的な運用がしやすくなっています。また、クラウドサービスなので協力会社や作業員は現場が変わっても利用しやすいという点も良いですね」

この現場で導入されている顔認証デバイスは、入退場の顔認証と同時に体温を計測する機能を搭載したリバスタ社が提供するBANKEN FACEという機器で、新型コロナウイルス感染対策にも一役買っています。

「入退場の際の体温計測は水際管理になっています。また、発熱したという人がいれば、入退場記録と作業員名簿を検索することで、その人物と誰が接触したかを探していくことができます。さらに新型コロナ対策だけでなく、災害発生時にも役立ちますね。例えば、その作業員がこの現場で何日目なのか、といった情報もBuildee入退場管理ですぐに分かります」(池田氏)

同現場で勤務をしている社員の青木達也氏は、3サービスを利用してこそ得られるメリットもあると語っています。

「Buildeeの中でも、例えば労務安全単体では他社サービスと大きな差はありませんが、入退場管理サービスなどのBuildeeシリーズの各サービスが連携していることが、大きなポイントです。連携しているからこそ、後でその情報が必要になったときなども調べやすいです」

なお、この現場には、Buildeeの活用を支援するため本社の社員も頻繁に訪問しているといいます。その一人が、建設本部建設統括部建設企画部建築企画グループの萩原由佳氏です。現場に対する支援の様子を以下のように語ってくれました。

「この現場では21年4月に正式運用を始めましたが、現場に入っている協力会社に対しては、あらかじめ各社の管理部門へBuildeeの3サービスの利用を伝えた上で、リバスタにも協力を得て現場向けの説明会を開催しました。さらに現場の職長や作業員の方々から問い合わせがあれば本社の私たちが対応するという体制を組みました。最初のうちは問い合わせの電話も多くかかり、週に一度くらい現場に足を運んでいました。苦労はありましたが、この現場についてはほぼ100%定着したと言えます」

Buildeeの利用を現場に定着させる上で、萩原氏たちをはじめとする本社の社員や、各支店の支援体制が大きな役割を担ったことは、所長の池田氏も実感しています。

「元請けがBuildee(新しいITツール)を使うことになると、協力会社の業務負担は増えます。システムへの入力などは7~8割は協力会社側が行う前提なので、面倒が増えると感じるのも当然でしょう。しかしながら、本社社員の方々がサポートしてくれたおかげで、現場の我々に対する問い合わせはほとんど受けずにすみました。この現場に入場している協力会社の多くは、当社の他の現場にもよく入場している協力会社ですので、今後は当社の他の現場でも、ここでの経験を踏まえてBuildeeを使いこなしてくれると期待しています」(池田氏)

今後の展望

サイネージによる現場の安全教育、LINE WORKS との連携、CO2 排出量集計にも期待

池田氏はBuildeeの良さとして、別の観点からも一つの指摘をしています。

「Buildeeの良いところ、リバスタの強みといえば、例えば労務安全については後発ではあるものの、他社と比較するとゼネコンや協力会社の改善要望をすぐ反映してくれる点ですね。4月から利用している我々が要望したことも、いくつかは既に対応してもらえました。その他のサービスについては他になかったツールですから、我々も一緒になって作っているような感覚もあります」(池田氏)

加えて、池田氏はBuildeeに対する数々の要望、そして期待の声を語っています。その期待を寄せた話題の一つが、サイネージシステムに関するものです。

「サイネージに、各ゼネコンの文化に合わせた形で安全教育コンテンツを手軽にアップロードできるようになると、大変便利だと思います。安全教育については、例えば当社では火災予防テストを新規教育時にやっていますが、そういった各社独自の教育テスト等を調整会議や労務安全の名簿と紐付けて、作業員がスマホやタブレット端末でテストを行い、その履歴が名簿上に記録として残るといった仕組みもあると便利になりそうです。さらに言えば、せっかく入退場管理と労務安全の名簿がリンクしているのですから、毎朝のKY用紙へのサインも電子化してもらえると助かります。サインをスマホやタブレットで入力できるようになったら楽になり、作業員たちに顔認証を登録させる動機にもなると思います」

一方、本社側では、別の観点でBuildeeに期待することがあると鈴木氏は言います。

「Buildeeは出面のデータを持っているわけですから、ここから計画と実績をリアルタイムに可視化するなどの機能があるとうれしいです。LINE WORKSとの連携によるコミュニケーション拡充、e-reverse.comとの連動によるCO2排出量自動集計などにも期待しています。将来的には、日々の施工管理を完全にペーパーレス化し、唯一無二の施工管理ツールになってほしいですね」(鈴木氏)