鹿島の生産活動において、「Buildee」はより重要なシステムになっていく
建設現場施工管理サービス「Buildee」を利用した効果や課題について鹿島建設株式会社様に(以下、鹿島) にお伺いいたしました。
事業内容
建築管理本部 建築工務部の業務内容について聞かせてください
建築管理本部 建築工務部では、建築工事の状況把握や品質管理・安全衛生管理・環境管理の指導や支援、協力会社に関する事項への対応、技術検討や設計部門との調整、ISO対応、建築分野におけるIT活用推進などを担っており、業務内容は多岐に渡ります。
建築管理本部 建築工務部の中でも建築ICT推進グループはどういったお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?
建築ICT推進グループでは、鹿島のISO推進、人材管理、工事情報把握、工事状況把握、フィードバック情報、見積・調達・損益管理、品質管理、安全衛生・環境管理のためのシステム、検査・工程管理ツールの開発、メンテナンス、運用等を行っております。その一環として、Buildeeの運用を行っています。
導入の経緯
Buildeeを全現場で導入!その成功の秘訣は?
全現場でBuildeeを利用するにあたっての課題と解決方法を教えてください
実際には、全現場へ展開するのにそれほど労力はかかっておりません。というのも、鹿島では、作業間連絡調整会議を効率化するためのツール「e-現場調整Pro」を独自に開発し、現場で活用していた為、現場社員はその有効性を既に理解しており、現場にBuildeeを導入するハードルはそれほど高くありませんでした。ただ、「e-現場調整Pro」を使い慣れている現場がBuildeeに切り替えるにあたっては、新たにBuildee用のIDを発行したり、操作性が違っていたりということを各支店・現場に説明するのに苦労することもありました。
使用当初、Buildeeを使いこなすことができない社員にはどのようなサポートをしていたのでしょうか?
鹿島には、社内にITサポートセンターというものがあり、Buildeeに限らずITツール全般の要望や使用方法について、社員はそこに問合せをします。
Buildeeの要望や不具合に関しては、ITサポートセンターにてリスト化し、建築管理本部でとりまとめ、イーリバースドットコム社に改善依頼をするというルールにしています。 また、それ以外にも、現場・支店に実際に出向いてお手伝いをするということをコンスタントに実施しておりました。
Buildeeを使わない現場はありますか?
Buildeeは建築現場における導入必須ツールと位置付けられていることもありますが、Buildeeを使用した方が効率的であることは社内に浸透しております。
導入の時点で使わないという選択をする現場はほとんどありません。
また、年に何回か各支店のIT推進担当者が集まる全国会議があるのですが、「Buildeeを全現場で使ってもらうこと」を目標に掲げ展開率についての話し合いや情報共有をしておりました。
導入効果
Buildeeを利用することで調整会議の準備がスムーズになりました
Buildeeを導入して、『現場』にはどのような点に効果がありましたか?
従来のホワイトボードでの調整では、作業予定の記入や修正変更の効率が悪かったのですが、Buildeeを利用することで調整会議の準備がスムーズになりました。また、電子データ化されているため、朝礼用モニターと連動させるなど、従来の業務形態から一歩進んだ現場管理ができるようになっています。その効果は、他社ゼネコンへの普及を見ても明らかです。
管下の現場の主要工事や、人員数を把握することが容易に
現場だけでなく、『本社・支店』でも効果はありましたか?
管下の現場の主要工事や、人員数を把握することが容易になり、現場の稼働状況把握の一助となっています。また、予定作業人員と実績作業人員を週単位で集計し、全国各地の技能者のひっ迫状況を職種ごとに早期把握しています。
今後の展望
2019年10月以降のBuildeeとCCUSとの連携に大きな期待
鹿島建設様にとってBuildeeとはどのようなものでしょうか?
鹿島の基幹システムと言えます。
Buildeeからの実績データを収集し、環境側面、現場安全集計、職種別集計、現場閉所管理システム等への展開を実施しています。2019年10月のBuildeeリニューアル後は、労務安全や入退場管理でも活用する計画であり、CCUSとの連携も予定されていることから、鹿島の生産活動において、より重要なシステムになっていくと思っています。
今後、Buildeeに期待することはありますか?
Buildeeは鹿島の基幹システムであるがゆえに、システムに不具合が発生すると、業務に非常に大きな影響を与えます。
従って、健全にシステムが稼働し続けるよう万全の対策をとっていただきたいのと、同時に現場が本当に使いやすいシステムを目指して改善を継続していって欲しいです。
2019年10月のBuildeeリニューアル後には、入退場・労務安全機能が追加、CCUSとの連携もスタートする予定ですが、現場において、スムーズな運用が可能となるように万全なシステムを構築お願いしたいと思います。
まだBuildeeを利用されていない他の元請様に何か一言あればお願いします
Buildeeを利用することで、元請だけでなく、協力会社の業務の省力化にもつながります。また、どのゼネコンの現場に行っても同じように作業間連絡調整会議を行えるようになります。
今後、多くの元請がBuildeeを活用していけば、建設業界全体の業務標準化・効率化の一助になると考えております。
あとがき
イーリバースドットコムの提供するサービスが、建築事業だけでなく幅広い分野・事業領域でさらなる発展を目指す鹿島様の業務効率化のお力になれていることを誇りに思うとともに、これからもより良いサービスをご提供できるよう努力していきたいと思います。
お忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。