導入事例

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導入事例 調整会議 労務安全 入退場管理

向井建設株式会社様

さまざまな現場で一次協力業者としてBuildeeを利用
情報共有や業務効率向上に加え、独自の活用も

一世紀以上の歴史を持つ総合躯体工事業者の向井建設では、サブコン(一次協力業者)としてゼネコン各社の工事現場で活躍しています。そうした現場で近年、Buildeeの各サービスとBANKENシリーズを利用する現場が増え、より正確な情報の共有、業務効率の改善など数々の改善効果を感じています。また、独自の活用方法でサービスを利用することもあります。

導入前の課題

「現場力」を生かして活躍するサブコン
現場によっては紙ベースでの調整も

向井建設はとび土工事業として1908年に創業し、近年においては躯体工事(鉄筋・型枠工事や施工管理)も行なうなど、総合躯体建設会社を目指している会社です。現在では約600名 の技術職や技能職が、全国各地の現場で活動しています。一世紀以上の歴史で培ってきた「現場力」を生かし、ゼネコン各社の建築・土木工事現場における一次協力業者、いわゆるサブコンとして活躍しています。

同社では、技能やノウハウを継承し高めていく人材育成や、さまざまな技術革新への対応を継続的に推進しています。ICTツールについても、社内では情報共有などで活用していますが、一方で現場でのデジタル情報の活用は、元請けであるゼネコンの動向に左右されています。

建築工務部の和田拓也氏は、アナログで管理されていた当時の現場の様子を、次のように説明しています。「かつては現場内での作業間連絡調整は紙ベース、あるいは現場事務所の会議室ホワイトボードの中でのやり取りが中心でした。そのような場合、会議に参加した職長などが記憶して口頭で現場の作業員たちに内容を伝えます。とはいえ、規模の大きな現場では複数人の職長や班長が別々の場所でそれぞれの作業をするので、調整にも手間がかかりますし、施工場所の状況把握も困難になっていました」

導入の経緯

元請けゼネコン各社の動向に合わせ
Buildeeや競合サービスを現場で活用

近年では、作業間連絡調整や安全書類などをICTツールで管理するゼネコンが増えてきました。向井建設も元請けに合わせて対応しているものの、ICT化はゼネコン各社それぞれの方針で異なります。自社開発の独自ツールを使うゼネコンもあれば、SaaSアプリケーションを導入するゼネコンまでさまざまです。もちろんその中にはBuildeeの各サービスも含まれています。

「Buildeeについては、2017年頃に利用したのが最初です。当時は調整会議だけでしたが、その後、労務安全や入退場管理、そしてBANKENシリーズが登場して、これらのサービスも順次利用するようになりました。当社はサブコンですから、元請けとなるゼネコンがBuildeeに設定した現場ページに、協力業者ユーザーとして招待され、施工体制など必要な情報を登録した上で利用していきます。さらに当社から、一次協力業者として二次協力業者を現場ページに招待し、同じように情報登録の上で利用してもらう、という流れです」(和田氏)

元請けの事情や現場の都合などにより、3つのBuildeeサービス全てを利用することも、一部のみを利用することもあるそうです。

「Buildee調整会議は、当社の場合、主に現場で常駐している社員が利用し、後日の作業予定や当日の作業実績、搬出入予定や建設機械等の稼働予定などを入力し、作業指示書として印刷するなどして活用しています。労務安全は、現場に入場する前の登録や、登録情報の追加や修正などを自社内から行うのが基本です。入退場管理も基本的に入場前、現場送り出し段階の設定や登録を自社で行っています。現場にBANKEN FACEなどの顔認証機器が導入されていれば、そのための顔写真データも合わせて登録します」(和田氏)

導入効果

Buildeeの各サービスとBANKENで
協力業者の立場でも時間節約や業務効率化につながる

Buildeeの3つのサービスやBANKENシリーズを利用することで、向井建設ではさまざまな変化を感じていると和田氏は言います。「Buildee調整会議では、同じ現場に入っている他業種との作業間連絡調整に役立っており、現場の動きが分かりやすくなりました。元請職員との打合せ内容はBuildee調整会議に反映され、私たち協力会社側もBuildee上で確認することができます。そのため、作業内容などの伝達に必要な時間も短縮され、その時間を現場作業や安全確認に使うことができます。現場配置計画を作業当日の危険予知活動にも盛り込んで活用したり、元請けや現場次第では作業指示書を出面の根拠に使える場合があるなど、作業間連絡調整のほかにも役立つ場面が多いです」

ほかにも、街区ごとに作業を進めるような大規模現場では、前の街区での作業実績を人工予想の参考にするといった、独自の使い方もしています。

施工体制の登録が1回で済む上に、CCUS IDを登録すれば自動連係されるため、業務効率は高いと和田氏は評価しています。「BANKEN FACEも併用すれば、顔認証により実際に入場している作業員を確実に把握できます。退場した人員の確認も容易になりましたし、同姓同名の作業員がいても間違える心配はありません。コロナ禍の頃には、BANKEN FACEの検温機能との連携も便利だと感じました。もし現場で何かあったときも、その時点で入場している作業員を把握できるため、会社側の対応も迅速にできます」

また、Buildee労務安全では、二次協力業者の分も含め施工体制台帳の記入や修正が可能な点などがメリットを感じるとのことです。

今後の展望

協力業者の利用を踏まえた
機能改善を今後も期待

一方で和田氏は、協力会社の目線でリバスタに対しさまざまな要望も語ってくれました。「ICTツールを一本化できればいいのですが、元請けや現場によって使うツールが異なるので、当社では競合ツールも使っています。同じ目的の複数のシステムに、同じ内容の入力や修正を行うのは手間がかかるので、データを連携できるようになると助かります。直接でなくとも、例えば入退場管理とは逆に、CCUSのデータをBuildeeへ連携できるだけでも、かなりの手間が省けると思いました。またBuildee労務安全については、入力項目が競合ツールと微妙に異なる箇所があるので、項目を共通化するなどの改善を期待しています」

また、向井建設は協力業者という立場上、規模の大きい現場から小さい現場まで、さまざまな現場を経験しています。そのような中、ICT活用に対しては「メディアなどで取り上げられる現場は進んでいる印象があります。一方で、小さな現場では、口頭や紙ベースでやり取りを行うなどICT活用が進んでいない方が多いです。そのため、そのような小規模な建設現場でも使えるICTサービス開発を進めてほしいと考えています」と和田氏は話す。

こういった数々の要望に対し、リバスタでは検討や対応を順次進めているところです。和田氏は、そのことについて以下のように評価しています。

「Buildeeは、私たち協力業者にとっては無償で利用できるサービスですが、それでもリバスタが要望を検討してくれていることがありがたいです。かなり前に私が出した要望が最近反映された、という例もありますので、今後も引き続き改善を続けていただけると期待しています。同じ目的に対し複数の異なるツールが使われている現状は労力を要するので、今後、建設業界で使われるさまざまな書類に関する業務をBuildeeに集約して一元管理できるようになり、導入企業がより増えてくれると嬉しいです」