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導入事例 調整会議

西松建設株式会社様

作業打合せ指示をシステム化したいという思いから「Buildee」を全社展開!

建設現場施工管理サービス「Buildee」の導入に至った経緯や、全社展開の運用方法や課題などをお伺いしました。

事業内容

小原澤様の部署の主な業務内容を教えてください

私が所属する経営企画部未来戦略課は2018年度に開設されました。 当社では2017年に「働き方改革元年」を定めて、ICTの技術や業務プロセスの効率化を図る取組みを積極的に実施することになりました。現場をよく理解し、マネージメントできる職員が、未来の施工管理というビジョンに向かって、様々な案を企画してほしいと開設された部署です。また本業である建設業以外の分野についても共有できる環境を作り上げる事もひとつの目的とされています。指示されたプロジェクトに取組むのではなく、未来の施工管理に向かって様々な問題や改善策を先んじて見つけ出し、現場に展開できるものを作り上げていくことが業務内容になります。

導入前の課題

帳票の作成にかかる時間と手間

私が新入社員の時、作成していた『作業打合せ指示の記録』は手書きで書くように指示されていて、朝6時30分から1時間くらいかけて作成していました。その後手書きからExcelに代わり、時間が大幅に短縮されましたが、それでも30分以上は時間を要していました。通常の建築工事ではピークで20業者、大現場では30~40業者近く作業しています。Excelなので昨日の記録をそのままコピーすれば楽ですが、日々作業内容は変わるので、確認業務も含めて40分~60分はかかっていました。また、職長さんもKY用紙を作成するのに、朝早く来て作業内容や作業場所、注意事項を手書きで書き込み、所属する作業員に回覧する必要がありました。朝8時の朝礼時にKY用紙を見ながら発表し、その後のツールボックスミーティングで職員が同席し、サインをするのが毎日のルーティンでした。

安全注意事項の内容の不一致

これまでは、打合せ指示の記録の安全注意事項を作成する職員とKY用紙の注意事項を作成する職長さんの二者で違う作業内容や注意事項を記入するなど、記載内容の齟齬がありました。その齟齬をなくすためには職員と職長が作業内容と注意事項を事前に共有する必要がありますが、作業している業者数が多い場合は、その業務も一苦労になります。お互い忙しい中で電話して現場と連絡を取ったり、情報共有に手間をかけていました。

導入の経緯

Buildeeで業務改善が図れると思ったため、Buildeeを試験採用

当社には年に1度、「みんなの知恵」という全職員が企画を提案することができます。提案された企画に対して本社の各部署が採点する制度となっています。 2017年、私がまだ現場で施工管理の業務をしていた頃に、打合せ指示をシステム化してKY用紙に繋げるものを作りたいと思い「打合せ管理システム」と題して「みんなの知恵」で提案し、採用されたのがきっかけでした。
当初は、システム会社と打合せをして、自社システム前提で話を進めていたのですが、費用の問題などで、なかなかシステム採用には至りませんでした。そうした中、本社建築事業本部からBuildeeを紹介してもらい、そこで初めてBuildeeを知りました。
私の考えている内容まではシステムが備わっていませんでしたが、まずはBuildeeで業務改善が図れると思ったため、Buildeeを試験採用することにしました。そもそも「みんなの知恵」で採用されるということは全社的な意思決定でもありましたので、すぐさま全社展開という流れになりました。

Buildee以外で比較検討されたシステムはありましたか?

自社システムで検討はしておりましたが、他社システムでは比較検討対象となるようなシステムはありませんでした。

導入効果

システム導入による業務の省略化を実現

打合せ指示の記録」の入力作業時間が大幅に短縮

Buildeeを利用してから、1日30分~40分の作業が数分になり、年間にしたら大幅な時間短縮が可能になりました。

早朝に手書きで作業していた業務 ⇒ スマートフォンで手の空いた時間に対応

職長さんも朝一番で手書きしていた作業が、スマートフォンで打ち込み、プルダウンで選択するだけに変わったので、早く現場に来て作業しなくても手が空いた時間で対応ができるようになり、本業に専念できるようになったのが大きいですね。
手書きがシステムに切り替わるメリットとデメリットはあると思いますが、「労働時間削減」と言われている今の世の中では必要なことだと思っています。

安全注意事項の内容の統一が可能

作業内容と注意事項は、Buildeeに職長さんが入力して、それが打合せ指示の記録に反映されるので、二度手間を省くことができています。

西松建設株式会社様Buildee導入事例

Buildeeを利用して本社や支店はどのように変わりましたか?

現場の見える化ができたことだと思います。
現場の状況をBuildeeで確認することができますし、移動中であっても同じく確認ができることも大きいですね。
今後、建設キャリアアップシステムとの連携や、入退場のシステムが備わってくる話をお伺いしておりますので、より本社や支店は統計の面で便利に使えることを期待しております。
例えば、「関東の現場では総勢何人か」「西松建設として全国の総出面は」「建設キャリアアップシステムに加入している作業員はどのくらいか」など、それぞれ統計を取らなくても見える化ができるということに期待をしています。

一人ひとりへの説明とマニュアル作成のサポート体制で課題解決

Buildeeを利用する上で工夫されていることはありますか?

私が初めて利用した現場では、自分で現場作業の指示を行いながら、Buildeeの作業も共有し、職長さんと私たちだけで、お互いに理解を深めながらやっていました。システムを使うときの壁でもある最初の登録は、私がIDとパスワードの作成補助を行い、使用ルールについても独自のマニュアルを作成し、何度も職長さんに説明をすることで反映していきました。

施行する1現場目からマニュアルは作成していたのでしょうか?

最初から作成していたわけではないです。
自分なりに作業の指示を行い、職長さんと私たちだけで、お互いに理解をしながらマニュアルの作成をしていきました。

現場で使い始めてからどのくらいでマニュアルなどの形が出来上がったのでしょうか?

自分の現場のルーティンが決まって、職長さんたちに浸透していった頃です。
職長さんも職員の作業している通りに使ってもらう流れだったので、さほど浸透するのに時間はかからなかったです。 若い職員たちから順にマニュアル通りに対応してくれて、少しずつ慣れていった感じです。
特に職長さんには、ひとりひとりに説明をしていったので大変でしたが、「導入すれば楽になる」という思いで丁寧に説明をしていきました。職長さんは操作を理解すれば、他の西松の現場でも同じ作業になるということで、とても熱心に理解していただきました。
もちろん協力会社にも粘り強く説明をしていきました。協力会社には、導入する3~4カ月前からBuildee導入について説明をし続けました。

早い段階でマニュアルのサイクル通りにやっていくことを示していたのでしょうか?

示していました。とにかくみんなに浸透させたかったし、マニュアルとしてルールがないと浸透しないと思いました。また、まずは自分の現場で確立して広げていきたいという思いもありました。
「自分の現場はこうやっているよ」とディスカッションしたり、「そういう使い方があるんだ」「いいね~」という感じで成功事例を発信したかったのもあります。
また、当時の所長に「生産性が上がるならやってもいいよ」と言っていただき、自由にやらせてもらえたのは大きかったですね。
生産性とお金は結びつきづらいですが、「お金はかかるが、皆の残業時間が減るなら」ということで、了承いただけたのは大変ありがたかったです。

Buildeeを全社展開して頂くにあたり、課題と解決方法を教えてください

大きな課題は、全社でルールが統一されていないことです。
ルーティンの標準化がなく、時間やルールの決まりは現場や地方性によって違いがあります。そのため、説明をするにしても独自のルールがそれぞれあり、うまく伝わらないことがありました。『打合せ指示の記録』の記載方法も建築と土木、支社支店、現場ごとに変わりますので、ルールの統一はまだまだ定めていくのに時間が掛かると感じています。この課題に対しては、マニュアルを作成し、当社で設けているICT推進チームを一次窓口として、職長さんや現場の職員に細かく説明を積み重ねて、浸透させていくしかないと考えています。

西松建設株式会社様Buildee導入事例
小原澤様が本社異動後に改良したオリジナルBuildeeマニュアル

今後の展望

協力会社の負担を減らすには建設業界全体の統一化が重要

各ゼネコンがそれぞれのルールを展開することで、職長さんは現場が変わる度にやり方が変わり負担が掛かっているのが現状です。それを改善する為には、各ゼネコンがある程度のルールを統一する事が必要になります。 ただ、各ゼネコンの取組み状況や、自社開発など、それぞれのカラーがあり、なかなか難しいと思っております。
今後は統一まではいかなくても、各システムやアプリと連携して協力会社がマスタデータとなって各ゼネコン間で共有できるようになってくれると業界全体の生産性が向上すると考えています。

西松建設様の今後の取組みについて教えてください

まだ現場によって、使い方が統一されておらず、機能を最大限使い切れていないのが現状です。普及はできましたので、引き続き『Buildeeを利用した標準化』を確立していくことに力を入れていきたいと思っています。

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あとがき

今回の取材を通して、小原澤様の現場の経験から感じていた問題意識がBuildee導入の背景にあることを知り、西松建設様がコーポレートスローガンとして掲げている「未来を創る現場力」を実践されている印象を受けました。 今後もお客様のお力添えができるように、イーリバースドットコムも尽力いたします。
小原澤様、お忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

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