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送り出し教育実施報告書とは

労働災害は、新しい現場に入ってから短い期間に起こることが多いといわれています。これは、現場ごとに作業内容やルール、現場の危険個所などが異なっていることや、作業員の安全に対する知識が不足していることが要因と考えられます。労働災害を防ぐためには、作業員の経験などに関わらず、現場の状況やルールを十分に理解して作業に入る必要があります。

労働安全衛生法では、雇い始めや新しい現場に入る作業員に対して、安全衛生教育をおこなうことが義務付けられていますが、元請会社が実施する「新規入場時教育」に先立って、作業員を送りこむ下請会社側でも、安全衛生教育しておくことを「送り出し教育」といい、その両方を全作業員におこなうことで現場参入当初の労働災害の防止を目指しています。

送り出し教育実施報告書は、下請会社が自社の作業員に「送り出し教育」を実施したことを元請会社に報告するグリーンファイル(安全書類)の1種です。どのような報告書を作ればよいのでしょうか。送り出し教育実施報告書について、詳しく解説します。

この記事はこんな読者におすすめ

  • そもそも、「送り出し教育」とは何か、わからない
  • 送り出し教育実施報告書のフォーマットがわからない
  • 送り出し教育実施報告書には、何を記載すればよいかわからない
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グリーンファイルを紙媒体でおこなう課題と電子媒体にするメリットについて、両者を比較しながらわかりやすく解説します。

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1. 送り出し教育実施報告書とは

送り出し教育実施報告書とは、下請会社が自社の作業員に安全衛生教育を実施したことを元請会社に報告するグリーンファイルですが、具体的にはどのようなものでしょうか。まず、送り出し教育とは何かを説明したうえで、送り出し教育実施報告書を作成する目的や具体的な報告書の記載内容について説明していきます。

送り出し教育とは

「送り出し教育」とは、作業員を雇用している会社の事業主(下請会社)や代理人(安全管理者、安全衛生責任者、職長等)が、新しく乗り込む現場の状況や作業所の決まり、安全上のルールなどの情報を事前に把握し、作業員に対しておこなう教育のことです。
送り出し教育は、年齢や経験、雇われてからの期間などに関わらず、一時雇いも含めて、現場に乗り込む作業員全員を対象としておこなわれます。

送り出し教育実施報告書の目的

送り出し教育実施報告書は、下請会社側が、作業員に対してこれから入る現場の安全衛生教育をおこなったことを、元請会社に証明するために作成する書類です。

送り出し教育実施報告書の概要

送り出し教育実施報告書は、実施した事業者名、日時と場所、受講者氏名、教育内容などを記載し、下請会社が元請会社に提出します。
送り出し教育実施報告書には受講者全員の氏名を記載するため、1回の送り出し教育について1枚だけ作成します。ただし、増員のために途中で現場に入る作業員や、現場の状況が変わった場合にも送り出し教育を実施し、その都度、送り出し教育実施報告書作成をする必要があります。

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2. 送り出し教育実施報告書のフォーマット

送り出し教育実施報告書は、使用しなければならないフォーマットはなく、各下請会社が独自で作っている場合もあります。

以下が、「Buidee書式」です。

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3. 送り出し教育実施報告書の書き方・記入例

送り出し教育実施報告書の具体的な書き方・記入例を、「Buildee書式」を使用して紹介していきましょう。

報告書上部の欄外部分

欄外部分の日付は、送り出し教育の実施日ではありません。報告書を元請会社に提出する日付です。
事業所の名称と所長名は、報告書の提出先の元請会社を記載します。会社名、現場代理人は自社を記載します。

新規入場時等教育実施報告書の記入欄

新規入場時等教育実施報告書の記入欄は、次の8項目に分かれています。

  1. 教育の種類
  2. 実施日時
  3. 実施場所
  4. 教育方法
  5. 教育内容
  6. 講師
  7. 受講者氏名
  8. 資料

教育の種類

教育の種類の欄には、「新規入場時」、「雇入時」、「送り出し時」の記載があります。送り出し教育実施報告書として使用するため、「送り出し時」を丸で囲みます。

教育方法

教育方法とは、「講義」、「スライド」、「映像(ビデオ)資料」、「資料配布」など、どのような手段で教育をおこなったかを記載します。

教育内容

教育内容の欄には、実際におこなった内容を記載します。記載しきれない場合には、「別紙添付の通り」と記載し、送り出し教育に使用した資料のコピーなどを合わせて提出します。
教育内容の記載例は、以下の通りです。

教育内容の項目の例 教育内容の例
(1)作業概要や規則 作業名、作業場所、作業概要、作業所長名
(2)作業所のルール ①安全衛生に対する考え方
②朝礼・昼礼の開始時間や作業のタイムスケジュール
③携帯電話の使用など
④ゴミや不要物の処理方法など
(3)作業内容 作業の手順、工期など
(4)安全への取り組み ①保護具、安全装置、服装など
②重機等の法定点検など
③必要な免許、資格の確認
④安全目標、災害防止対策など
(5)緊急時対応 ①連絡先
②伝達系統
③応急処置

受講者氏名

教育を受けた作業員(受講者)の名前をすべて記入します。すべての作業員の受講が義務なので省略せず全員の名前を記入する必要があります。元請会社は作業員の自筆が求められる場合があります。

資料

資料とは、送り出し教育に使用した資料です。教育をおこなう下請会社が用意する場合が多いですが、元請会社から、安全上のルールなどを記載した資料を提供される場合もあります。

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