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KY活動(危険予知活動)とは?

建設現場にはさまざまな危険が潜んでおり、一つのうっかりが命の危険を招いてしまうことも少なくありません。そこで大切なのが、こうした危険を事前に把握し対策を練る「KY活動」です。ここでは、KY活動の意味や具体的なやり方・進め方について、詳しく解説していきます。

この記事はこんな読者におすすめ

  • KY活動(危険予知活動)とは何なのか、その意味や内容を知りたい
  • KY活動をおこなう際の効果的なチェックシートの作り方を知りたい
  • 安全ミーティング報告書に記載すべき内容や書き方を知りたい
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グリーンファイルを紙媒体でおこなう課題と電子媒体にするメリットについて、両者を比較しながらわかりやすく解説します。

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1. KY活動(危険予知活動)とは?

KY活動(危険予知活動)とは、職場に潜む危険を洗い出し、万一の事故が起こらないように対策を考え、それを実践していくプロセスを指す言葉です。

労働災害の原因のほとんどはヒューマンエラー(安全衛生情報センター「平成19年 労働災害原因要素の分析」)であり、特に建設現場においては巨大な重機や危険な機械を扱う機会が多くあるため、このKY活動の重要性を強く感じている人も多いのではないでしょうか。

どれだけ危ないと分かっていても、慣れによる「うっかり」や「ぼんやり」、「大丈夫だろう」などといった油断は必ず起きてしまうものです。だからこそ、そうした油断が出てしまわないようにするためにも、KY活動をしっかりとおこなっていかなければならないのです。

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2. KYのためのチェックシート作成方法

KY活動は、机上の空論で終わらせるのではなく、実際の現場を見たり、作業をしたりする中で、実践的に学んでいくことが大切です。そうした実践的な学びを得ることをKYT(危険予知訓練)といいますが、そもそも何が危険でどのような対策をおこなうべきかが明確になっていなければ、KYTの効果を高めることはできません。

そこで活用したいのが、チェックシートの作成です。KYTのファーストステップとして、まず始めにチェックシートを作成するようにしましょう。

チェックシート作成のための「基礎4ラウンド法」

チェックシートの作成は、「基礎4ラウンド法」という手法に基づいて作成するのがおすすめ。この手法では、危険の発見とその対策方法の立案を、4つのラウンドに分けておこないます。

第1ラウンドでは、職場にどのような危険があるのか、些細なものから重大なものまで、考えうるすべての危険を洗い出すようにします。

そして第2ラウンドでは、そうして発見した危険の中でも、特に注意が必要なものは何かを考えていきます。この際、「発生のしやすさ」と「発生時の被害」をそれぞれ数値化し、この両方の数値が高いものほど危険度が高いと認識すると良いでしょう。そもそも発生することが極めて稀であったり、発生しても大きな事故に繋がらないものの場合、優先順位は高くありません。

次の第3ラウンドでは、第2ラウンドで絞り込んだ危険への対策を出していきます。この際ですが、実行できるかどうかはさておき、第1ラウンドと同じくなるべく多くの対策を出すようにしましょう。

そして最後の第4ラウンドで、実際におこなうべき対策を決めていきます。この際、「○○をしないようにする」といったアクションをともなわない対策をするのではなく、「○○をする」というアクションをともなう対策とするようにしましょう。「○○をしないようにする」だと、結局は意識の問題になってしまい、うっかり忘れなどの危険性が増してしまいます。

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3. 安全ミーティング報告書を利用したKY活動の記入例

安全ミーティング報告書とは、日々のKY活動や安全ミーティングの内容を記録する書類のことです。労働災害などが発生した際に安全対策に問題がなかったか判断する根拠ともなる重要な書類となります。

なお、安全ミーティングは職長や安全衛生責任者、作業責任者などの責任者がおこない、職種や作業ごとに分かれて全員が参加して実施します。元請会社からの連絡事項や安全工程打合せ結果の共有、安全指示書の連絡、服装や健康のチェックなどをおこなった上で、その内容を安全ミーティング報告書にまとめます。ここからは、報告書の代表的な記入事項と記入例を紹介します。

作業日・作業場所・作業内容・作業方法・作業人員

作業日(いつ):左のマスに月、右のマスに日付を記入します。
記入例:9 10

作業場所(どこで):作業を実施する場所を具体的に記入します。
記入例:荷下ろし場

作業内容(なにを):作業内容を簡潔に記入します。
記入例:資材の荷下ろし、荷揚げ

作業方法(どのようにして):設備や機材を使用するかなど、作業方法を具体的に記入します。
記入例:移動式クレーンを使い、運搬車両から荷下ろしする

作業人員:作業をおこなう人員を記入します。左のマスに予定の人数、右のマスに実際に実施した人数を記入しましょう。
記入例:2 2

作業に必要な資格及び配置

作業に必要な資格及び配置の欄には、作業主任者や作業指揮者、玉掛者、合図者などの名前を記入します。

元請会社からの連絡調整事項

元請から何らかの指示や連絡調整事項があれば、この欄に記入します。一般的な注意事項であったとしても、必ず記載しましょう。
記入例:吊り荷の下に人を立ち入らせない、安全衛生責任者は安全帯の使用を確認する

実施したリスクアセスメント

実施したリスクアセスメントは、安全ミーティング報告書の中でも特に重要な欄の一つです。作業にともない予測される危険と、その危険度を判定した上で記入します。また、その危険に対する対策を具体的に記入し、それを実施することでどれだけ危険度が下がるのかも数字で記載します。これは、安全ミーティングで打ち合わせた内容を元に記入します。

予定作業に対してこんな危険がある:作業で予測される危険を記入します。また、「~するとき、~になる。」と記載します。
記入例:荷揚げ作業をするとき、車上から墜落する

危険に対してこのようにする:危険に対するリスク低減措置を具体的に記入します。
記入例:親網・昇降階段を設置する

重篤度:その危険が生じた際に、どの程度重篤な状態になってしまうかを三段階で評価します。

3 死亡や障害につながるなど、極めて重大な場合
2 休業災害につながるなど、重大な場合
1 不休災害につながるなど、比較的軽微な場合

可能性:危険がどの程度の可能性で生じるものなのかを三段階で評価します。

3 かなり注意しなければ発生するなど、可能性が極めて高い場合
2 注意しなければ発生するなど、可能性がある場合
1 注意しなくてもほとんど発生しないなど、可能性が低い場合

評価点:重篤度と可能性の点数の合計を記入します。

6 直ちに解決すべき問題あり
5 重大な問題あり
4 かなり問題あり
3 多少問題あり
2 問題は少ない

評価:対策が必要であるかの評価を五段階で記入します。

5 直ちに対策が必要
4 抜本的な対策が必要
3 何らかの対策が必要
2 現時点では対策の必要なし
1 対策の必要なし

職長の確認事項

作業現場において、異変が起きたり特記すべき事項が発生したりした場合、その内容を職長が記載します。選択式になっていますので、該当する内容に○印を入れるようにしましょう。

危険作業に従事する出席者のサイン

最後に、安全ミーティングに参加した出席者のサインを記載します。サイン横の欄には、「実施したリスクアセスメント」の危険予知番号を記入しましょう。

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