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工事・通勤用車両届とは?

現場での作業中や通勤途中に事故に見舞われることがあります。そのような場合に、責任の所在を確認するために必要な書類が「工事・通勤用車両届」です。ここでは、工事・通勤用車両届を作成する目的や書き方、記入例などを詳しく解説します。

この記事はこんな読者におすすめ

  • 工事・通勤用車両届が、なぜ必要なのかを知りたい
  • 工事・通勤用車両届の書き方を詳しく知りたい
  • 工事・通勤用車両届の回収(提出)の仕方を知りたい
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グリーンファイルを紙媒体でおこなう課題と電子媒体にするメリットについて、両者を比較しながらわかりやすく解説します。

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1. 工事・通勤用車両届とは?

工事・通勤用車両届とは、工事現場に入っている工事用車両および会社から現場に向かう際に使用する車両を管理するための書類です。工事用車両とは、トラックや生コン車などの現場で利用されている車両を指します。一方、通勤用車両とは会社から現場の間の移動のみに利用されている車両を指します。

現場での作業中や通勤途中は事故に遭うリスクがあります。特に現場では複数の会社が協力して作業を進めるため、事故が起きた場合の責任の所在を明確にすることが重要です。そこで必要となるのが、工事・通勤用車両届なのです。工事・通勤用車両届は「建設現場の安全を守るために必要な書類」であるグリーンファイル(安全書類)のひとつですので、書類の注意点や書き方もしっかり理解しておきましょう。

作成する際の注意点とは?

工事・通勤用車両届を作成する際には、以下の3点に注意する必要があります。

・車両1台ごとに提出する
元請会社が指定するフォーマットによっては、1枚で複数台分を記入するものもあります。それぞれのフォーマットに従って記入し提出します。

・提出時に保険証券のコピーを添付する
加入している任意保険の保険証券のコピーを添付します。

・運転者の変更があれば、その都度提出する
同じ車両であっても、運転者が変わったら新たに工事・通勤用車両届を作成し、提出します。

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2. 工事・通勤用車両届の書き方・記入例

ここでは、工事・通勤用車両届の各項目の書き方を解説します。他の書式でも記入項目はほぼ変わらないので、以下の書き方を参照してください。
まず、車両届を作成する車両が工事用、通勤用のどちらであるかを◯で囲みます。日付は記入日ではなく、提出する日を記入します。

事業所の名称

工事を実施する事業所の名称もしくは工事の名称を記入します。「〇〇作業所」「〇〇ビル改修工事」などと記入するのが一般的です(記入例①)。

所長名

元請会社の現場代理人の氏名を記入します(記入例②)。

一次会社名

工事・通勤用車両届を提出する一次請けの会社名を記入します。会社名の代わりに一次請け会社の現場代理人の名前を記入することもできます(記入例③)。

使用会社名

自社名を記入します。記入欄の左側に何次請けかを記入する欄があるので、忘れずに記入しましょう(記入例④)。

現場代理人(現場責任者)

自社の現場代理人(現場責任者)の氏名を記入します(記入例⑤)。

使用期間

該当する車両が現場に入っている期間を記入します(記入例⑥)。

所有者氏名

該当する車両の所有者名を記入します。会社が所有している場合は「社有車」と記入します(記入例⑦)。

安全運転管理者氏名

現場で使用する車両台数が以下のいずれかに当てはまる場合は、安全運転管理者の氏名を記入する必要があります。当てはまらない場合は、空欄のままでかまいません(記入例⑧)。

  • 乗車定員11人以上の自動車1台
  • 乗車定員10人以下の自動車5台以上

※自動二輪車(50cc以上)は1台を0.5台として計算

安全運転管理者の選任にあたっては、以下のような資格要件があります。

  • 年齢20歳以上(副安全運転管理者を選任している場合は30歳以上)
  • 2年以上の運転管理の実務経験を有する者。または同等以上の能力があると公安委員会が認定した者
  • 過去2年以内に公安委員会の安全運転管理者等の解任命令を受けたことのない者
  • 過去2年以内に自動車運転におけて対象となる違反行為をしたことのない者

なお、安全運転管理者を選任した日から15日以内に、使用の本拠地を管轄する警察署を経由して公安委員会に届けなければなりません。

車両

車両欄には、該当する車両について、以下の情報を記入します(記入例⑨)。

  • 型式:ワゴン、マイクロバス、トラックなど、該当する車両の車種
  • 車両番号:該当する車両のナンバープレートの地名から番号まですべて
  • 車検期間:該当する車両の車検証に記載されている期間

運転者

運転者欄には、運転者の免許証に記載されている以下の情報を記入します(記入例⑩)。

  • 氏名:運転者の氏名。運転者が複数いる場合は、代表者氏名の後ろに(正)、それ以外は(副)と記入
  • 生年月日:運転者の生年月日
  • 住所:運転者の住所
  • 免許の種類:普通免許、大型免許など、運転者の免許の種類
  • 免許番号:運転者の免許番号

自賠責

自賠責は、すべての自動車が加入しないといけない自動車保険です。
自賠責欄には該当する車両の「自動車損害賠償責任保険証明書」に記されている、以下の情報を記入します(記入例⑪)。

  • 保険会社名:「自動車損害賠償責任保険証明書」記載の保険会社の名称
  • 証券番号:「自動車損害賠償責任保険証明書」記載の証券番号
  • 保険期間:「自動車損害賠償責任保険証明書」記載の保険期間

任意保険

任意保険は、自賠責保険ではカバーしきれない損害を補償する保険です。
任意保険欄には該当する車両が加入している任意保険の保険証券に記載されている、以下の内容を記入します(記入例⑫)。工事・通勤用車両届を提出する際には、任意保険の保険証券のコピーを必ず添付しなければなりません。

  • 保険会社名:保険証券記載の保険会社名
  • 証券番号:保険証券記載の証券番号
  • 対人:保険証券記載の対人賠償保険の限度額
  • 対物:保険証券記載の対物賠償保険の限度額
  • 搭乗者:保険証券記載の搭乗者傷害保険の限度額

運行経路

出発地から現場まで実際に利用している簡単な経路を記入します(記入例⑬)。もし、記入された経路から外れた場所で事故が起こった場合、通勤災害と認められない可能性もあります。
元請会社からの指示で詳しい運行経路図を作成し、添付しなければならない場合もあります。なお、ダンプ、生コン車、廃棄物運搬車については元請け会社の指示とは関係なく運行経路図の提出が必要です。

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3. 工事・通勤用車両届回収の流れ

工事・通勤用車両届は、車両を所有するすべての会社が作成する必要があります。一次請会社が二次請会社以下が作成した工事・通勤用車両届を回収し、元請会社に提出します。ただし、元請会社の指示によって、二次請会社以下が直接、元請会社に工事・通勤用車両届を提出する場合もありますので事前に確認しておきましょう。
自社より下位の会社の工事・通勤用車両届を代理で作成するケースもあります。作成する際には、自社の書類か下請会社の書類かを混同しないように注意してください。

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