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施工体系図とは?

多くの人が関わる建設工事では、どの労働者が何を担当しているのか明確に把握する必要があります。そこで役に立つのが、各下請負人の施工分担関係が一目でわかるように作られている「施工体系図」です。この施工体系図には何をどのように記入したらよいのでしょうか。
ここでは、施工体系図の目的や概要とともに、施工体系図の記入方法について詳しく解説します。

この記事はこんな読者におすすめ

  • 施工体系図がなぜ必要なのか目的について知りたい
  • 施工体系図が必要になる工事について知りたい
  • 施工体系図の内容やその具体的な記入の仕方を知りたい
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1. 施工体系図とは?

施工体系図とは、作成した施工体制台帳などに基づいて、これを見ることで工事に関わる人たちの施工分担関係がわかるようにした図で、元請業者が作成するものです。

施工体系図を作成する目的は主に次の3つです。

  • すべての工事関係者が建設工事の施工体制を把握すること。
  • 工事の施工に関する責任と役割分担を明確にすること。
  • 技術者が適正に配置されているかを確認すること。

施工体系図は営業所ごとに、工事完了後10年間の保存が義務付けられています。
なお、施工体系図を作成しなければならない工事は次の通りです。

公共工事の場合

発注者から直接請け負った公共工事のために下請契約を締結したときに作成。工事関係者や公衆が見やすい場所に掲げる必要があります(公共工事入札契約適正化法第15条第1項)。

民間工事の場合

発注者から直接請け負った建設工事のために締結した下請契約の総額が4,500万円(建築一式工事では7,000 万円)以上となったときに作成。工事関係者が見やすい場所に掲げる必要があります(法第24条8第4項)。

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2. 施工体系図の書き方・記入例

施工体系図は、建設会社がどのように工事を分担するかをわかりやすく樹形図で記載します。では、各項目について、詳しくみていきましょう。

左側の項目

発注者名

工事を発注した事業社名を記入します。

工事名称

元請会社が担当する工事の名称を記載します。

元請名・事業者ID

元請会社名を記入します。建設キャリアップシステムに登録している場合は、「事業者ID」を記入します。建設キャリアアップシステムとは、技術者が現場の就業履歴や資格をICカードに登録してシステムに蓄積する制度のことです。

監督員名

元請会社が監督員を置く場合は、監督員の氏名を記入します。

監理技術者・主任技術者名

監理技術者または主任技術者の氏名を記入します。

監理技術者補佐名

監理技術者補佐の氏名を記入します。一定の条件を満たし、監理技術者が複数の現場を兼務する場合には、監理技術者補佐を配置する必要があるので注意しましょう。

専門技術者名・担当工事内容

元請業者が専門技術者を配置する場合は、専門技術者の名前と、専門工事の内容を記入します。工事によっては、別の専門工事が必要となることがあります。自社で直接工事をする場合は現場ごと、業種ごとに専門技術者を置かなければなりません。

統括安全衛生責任者

元請会社の統括安全衛生責任者の氏名を記入します。統括安全衛生責任者とは50人以上の労働者が就労する作業所で元事会社が選任する人です。
(労働安全衛生法第15条、同法施行令第7条)

副会長

元請(共同企業体では、企業体を形成している事業者)以外の下請負人の中から選出した者を記入します。

元方安全衛生責任者

元方安全衛生責任者の氏名を記入します。元方安全衛生管理者とは、統括安全衛生責任者が選任される事業所において、技術的事項の管理、統括安全衛生責任者の補佐業務をおこなう人を指します
(労働安全衛生法第15条の2)。

書記

災害防止協議会の内容を記録する書記の氏名を記入します。

右側の項目

工期

元請会社が契約をした工事に必要な工期を記入します。工事開始日(自)、工事終了日(至)も入れます。

会社名・事業者ID

元請会社と下請契約を結んだ一次下請会社名を記入します。また建設キャリアアップシステムに登録している場合には事業者IDを記入します。
縦は元請会社と下請契約を結んだ一次下請会社名を記入し、横はその会社と下請契約を結んだ二次以下の下請会社名を記入します。

代表者名

代表者の氏名を記入します。

許可番号

記載の順序は下記の通りになります。

  1. 「国土交通大臣許可」か「都道府県知事許可」のどちらかを記入
  2. 「一般建設業」「特定建設業」のどちらかを記入
  3. 建設業種の許可番号を記入

工事内容

担当する工事内容を記入します。

特定専門工事該当の有無

下請代金の合計金額が4,000万円未満の「鉄筋工事」及び「型枠工事」の場合は「有」、それ以外は「無」を選びます。

安全衛生責任者

労働安全衛生法で定められている、安全衛生責任者の氏名を記入します。
安全衛生責任者とは、労働安全衛生法に定められている事業所での安全を管理する人を指し、現場に常駐する現場代理人・主任技術者、職長などから選びます。

主任技術者

公共性のある重要な建設工事(元請業者との請負金額が4,000万(建築一式工事の場合は8,000万)円を超える請負工事のうち戸建住宅を除くほとんどの工事のこと)の場合は工事現場ごとに専任の者でなければなりません。
※ 専任とは、「他の工事現場に関する職務を兼任しないで、常時、継続的にその工事現場に関する職務のみに従事する」ことを言います。

専門技術者・担当工事内容

専門技術者の氏名を記入します。
専門技術者は主任技術者の条件を満たす必要があります。
担当工事内容には、附帯工事の内容を記入します。

工期

建設工事の契約書に記載された工期を記入します。

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