建設現場では、時に有害な物質が含まれる建築資材を取り扱います。作業中、使用方法や管理方法を誤って事故を起こさないために作成する書類が「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」です。ここでは、有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の書き方、記入例などを詳しく解説していきます。
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- 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届という言葉は知っているが、具体的にどのような書類かわからない
- 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の書き方を詳しく知りたい
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目次
1. 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届とは?
建設現場で用いられる塗料や接着剤などには、有害な物質が含まれていることがあります。これらの有害な物質は使用方法が法律により規定されており、違反すると罰金や懲役刑に処され可能性があります。そのため、不測の事故が起こさないようにするために作成する書類がグリーンファイル(安全書類)のひとつである「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」です。
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2. 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の書き方と記入例
ここでは、一般的に広く用いられている「Buildee書式」をもとに、有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の各項目の書き方を解説します。他の書式でも、記入項目はほぼ変わらないので、以下の書き方を参照してください。
日付
日付は有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の記入日ではなく、提出する日を記入します(記入例①)。
事業所の名称
工事を実施する事業所の名称もしくは工事の名称を記入します(記入例②)。一般的には次のように記入します。
- 〇〇作業所
- 〇〇ビル新築工事
所長名
所長とは、元請けの現場代理人を指します。一次下請けの会社ではなく、元請け会社の現場代理人なので注意が必要です(記入例③)。
一次会社名
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届を提出する、一次下請け会社名を記入します(記入例④)。
使用会社名
自社名を記入します。記入欄の左側に何次請けかを記入する欄があるので、忘れずに記入しましょう(記入例⑤)。
現場代理人
自社の現場代理人(または現場責任者)の氏名を記入します(記入例⑥)。
使用材料
使用材料欄には、添付されているラベル成分表などを参考にして、以下の情報を記入します(記入例⑦)。
- 商品名:使用する材料の商品名
- メーカー名:該当する材料のメーカー名
- 搬入量:該当する材料の搬入量 ※キログラム(kg)単位
- 種別:該当する材料の種別 ※商品に添付されている成分表を参考
- 含有成分:該当する材料の含有成分 ※商品に添付されている成分表を参考
使用場所
材料を使用する場所を記入します(記入例⑧)。
保管場所
材料を保管する場所を記入します(記入例⑨)。
使用機械又は工具
材料を使用する際、または付属で用いる機械、工具の種類を記入します(記入例⑩)。
記入例)
- ハケ塗り
- ローラー塗り
- スプレーガン
使用期間
現場で材料を使用する期間を記入します(記入例⑪)。「自」の部分に開始年月日、「至」の部分に終了年月日を記載します。使用予定期間でもかまいません。
作業主任者等
材料を使用する会社に所属する、作業責任者の名前を記入します。元請け会社から作業の順序や要点を記載した「作業手順書」の提出を求められた場合には、作業手順書欄の「有」を丸で囲み、添付して提出します(記入例⑫)。
SDS
SDS(安全データシート)添付の有無を記入します。SDSは工事現場で使用する化学物質に関する情報を提供するための書類です(記入例⑬)。使用材料の販売会社、もしくは製造会社から紙もしくはデータで渡されるので、きちんと保管しておきましょう。
換気等対策
使用する材料に対する具体的な安全対策を記入します。書ききれない場合は「別紙の通り」と記載し、資料を添付しましょう。(記入例⑭)。
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