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高齢者就労報告書とは

高齢者就労報告書は、建設業において高齢者の作業員を自社責任で就労させることを報告する書類です。法的に定められた書類ではありませんが、いわゆるグリーンファイル(安全書類のひとつで、元請け事業者から作成を求められることがあります。

ここでは、高齢者就労報告書の必要性や書き方、記入例を紹介します。高齢者の作業員を就労させる場合や高齢者就労報告書の作成を求められている方は、ぜひご覧ください。

この記事はこんな読者におすすめ

  • 高齢者就労報告書とはどのような文書なのか知りたい
  • 高齢者就労報告書を作成する目的や必要性を知りたい
  • 高齢者就労報告書の書き方と記入例を知りたい
3分で読める!グリーンファイルを電子化した方が良い理由

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グリーンファイルを紙媒体でおこなう課題と電子媒体にするメリットについて、両者を比較しながらわかりやすく解説します。

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1. 高齢者就労報告書とは

高齢者就労報告書とは、建設業において高齢者の作業員を自社責任で就労させることを報告する書類です。いわゆるグリーンファイル(安全書類)のひとつで、別名、高年齢者作業申告書ともいわれます

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高齢者就労報告書は、建設現場で働く作業員のうち、高齢者作業員に関する情報を記載する書類です。対象となる高齢者は60歳以上や65歳以上など、事業者によって異なります。原則として危険有害業務には就かせず、やむをえず就労させる場合は職長の直接指導により、安全措置を講じて就労させることを誓約し、高齢者作業員の氏名、生年月日、年齢、職種、現場での役割などを記載します。

高齢者就労報告書は一般的に、元請け事業者が業務を依頼した下請け事業者に提出を求めることが多いです。ただし法的に定められた様式はないため、各会社が自社の状況を踏まえて新たに作成したり、元請け事業者が用意した様式に記入したりして作成します。

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2. 高齢者就労報告書の必要性

高齢者を就労させる上で、高齢者就労報告書が求められる理由としては、以下の理由が推察されます。

  1. 年齢別事故発生率
  2. 労働安全衛生法62条(中高年齢者等についての配慮)

それぞれの理由について詳しく解説します。

年齢別事故発生率

1つ目の理由は、年齢別事故発生率における高齢者の労働災害発生率の高さです。厚生労働省労働基準局が令和4年5月に公表した「令和3年 高年齢労働者の労働災害発生状況」によると、雇用者全体のうち60歳以上の高齢者が占める割合は18.2%でした。そのうち、労働災害による休業4日以上の死傷者数において、60歳以上の高齢者が25.7%を占めていたと報告されています。この結果から、労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、約4人に1人が60歳以上の高齢者だということがわかります。

また、この調査から労働災害の特徴として、労働災害発生率(千人率)は、男女ともに若年層と高年齢労働者で高いことが明らかになりました。さらに65〜74歳の労働災害発生率(千人率)を、労働災害発生率(千人率)が最も少ない30歳前後と比較すると、男性は約2倍、女性では約3倍高いと報告されています。

高年齢労働者が起こす労働災害は、転倒や墜落・転落が多いことが特徴です。男性の墜落・転落においては、60代後半の発生率が20代の約4倍も高く、女性の転倒においては60代後半の発生率が20代の約16倍も高くなっています。これらの結果から、高年齢労働者は他の年代よりも労働災害を引き起こすリスクが高いといえるでしょう。

労働安全衛生法62条(中高年齢者等についての配慮)

2つ目の理由は、労働安全衛生法62条(中高年齢者等についての配慮)です。労働安全衛生法62条(中高年齢者等についての配慮)では、以下のように定められています。

「事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置をおこなうように努めなければならない。」

つまり、事業者は労働災害の防止のために、中高年齢者がおこなう労働に配慮するように求められているのです。具体的な例としては、転落する危険性のある高所作業や、身体に負担のかかる重量物の運搬などを一定の年齢以上の中高年齢者は行わないようにします。労働安全衛生法では、中高年齢者の明確な年齢記載はありません。しかし、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」で中高年齢者は45歳と定められています。

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3. 高齢者就労報告書の書き方と記入例

高齢者就労報告書には法的に定められた様式はありませんが、おもに以下の項目を記載することとされています。それぞれの記入例について、下記に詳しく解説します。

作業所名

対象となる高齢者が就労する作業所名(作業現場名)を記載します。

作業所長

作業現場の責任をもつ最高責任者の氏名を記載します。作業所長は、現場所長や現場代理人と呼ぶこともあります。

所在地

対象となる高齢者が就労する企業の所在地を記載します。

会社名

対象となる高齢者が就労する企業名を記載します。

代表者名

対象となる高齢者が就労する企業の代表者氏名を記載します。

氏名

対象となる高齢者本人の氏名を記載します。

生年月日

対象となる高齢者本人の生年月日を記載します。

年齢

対象となる高齢者本人の年齢を記載します。

職種

対象となる高齢者本人の職種を記載します。

作業内容

対象となる高齢者が現場で行う作業内容を記載します。高齢者は、労働安全衛生法62条(中高年齢者等についての配慮)によって、危険な業務は行わないように配慮が求められています。

危険な業務の具体例は、以下のとおりです。

  1. 高さ5m以上で転落・墜落の恐れのある場所での作業
  2. 足場の組み立てや解体作業
  3. 床面が平坦でない場所での作業
  4. 炎天下や寒冷環境下など疲労を蓄積する環境での作業
  5. 30kg以上の重量物を扱う作業
  6. 車両系建設機械の運転操作
  7. クレーンやフォークリフトなどの揚重機械の運転操作
  8. 精神的・肉体的緊張を継続する作業 など

このほかにも、対象となる危険な業務が設定されている場合があります。原則としては、高齢者を危険有害業務に就かせないように努めなければなりません。

以上が高齢者就労報告書の代表的な記載項目です。ただし、元請け事業者によってはこれら以外の記載項目が設けられた様式に記載を求められることがあるため、確認して高齢者就労報告書を作成しましょう。

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