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建設業法とは?

建設業法とは建設業に携わる人たちの資質向上や、建設工事請負契約の適正化などを図るため、さまざまなルールを定めた法律であり、建設業の基盤となるものです。どのような目的で制定された法律なのか、違反するとどのような罰則があるかなど、建設業法について詳しく解説いたします。

この記事はこんな読者におすすめ

  • 建設業法について詳しく知りたい
  • 建設業法改正について詳しく知りたい
  • 建設業法を違反したときの罰則について知りたい
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1. 建設業法とは(建設業法の概要)

建設業法とは、1949年に制定された、建設業にかかわるルールを定めた法律です。建設工事や下請契約、書類などに関するルールなど、内容は多岐にわたり、複雑です。施工業者は建設業法を理解し、ルールを遵守しなければならず、違反すれば厳しい罰則があります。

建設業法の目的

建設業法の目的は、建設業法第一条に書かれています。
建設業法の目的は、建設業を営む人の資質の向上や建設工事の請負契約の適正化を図ることで、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護し、建設業の健全な発展の促進することです。そして、最終的な目的は、社会の利益となる「公共の福祉の増進」という壮大なものになっています。

建設業法改正について

建設業法は、1949年に制定されてから、建設業界を取り巻く環境が変化するなかで、建設業に従事する人たちが安心して働けるように法改正が繰り返されてきました。そして、2020年10月1日に施行された改正建設業法では、「建設業の働き方改革の促進」「建設現場の生産性向上」「持続可能な事業環境の確保」という3つの柱を中心に、労働環境の改善や人手不足の解消などを目指し、主に、以下のような改正がなされています。

【建設業の働き方改革の促進】

著しく短い工期の禁止

労働者の長時間労働を是正する目的で、著しく短い工期が設定された請負契約の締結を禁じる内容が盛り込まれ、工期の適正化を図っています。違反すると国土交通大臣等から勧告などを受ける事があります。

工期の確保と標準化の努力義務化

発注側は、必要な工期の確保と施工時期の標準化のための方策を講ずることを努力義務化されています。

下請代金のうち「労務費相当分」の現金払い

下請業者が労働者への支払いを滞らせることないように、元請業者が下請業者への労務費相当分の現金で支払うよう適切な配慮をしなければならないとされています。

社会保険の加入義務化

法人はもちろん、個人事業主であっても従業員が5名以上いれば社会保険への加入が義務化さ れました。また、新規に建設業許可を取る場合、社会保険加入が要件となりました。 また、 許可があったとしても、更新時に未加入の場合は更新不可となりました。

【建設現場の生産性の向上】

監理技術者の兼務容認

これまでは、一定以上の規模の工事を請負う際は監理技術者を専任で配置しなければなりませんでしたが、各現場に技師補を置けば1人の監理技術者が2つの現場を兼任できるようになりました。

主任技術者の配置不要化

下請業者は現場に主任技術者を配置する義務がありましたが、特定専門工事については当事者が合意すれば、二次以降の下請業者は配置しなくてもよくなりました。

建設資材製造業者に対して、認可行政庁の勧告・命令可能

資材欠陥によって施工不良となった場合、認可行政庁(国土交通大臣や都道府県知事)は建設業者や資材メーカーに対して改善勧告や命令を出せるようになりました。

【持続可能な事業環境の確保】

経営業務管理責任者要件の変更

5年以上、役員として建設業経験がなくても、事業者全体で適切な経営管理体制の要件を満た せば、経営業務監理責任者になれるようになりました。

事業継承における合併・譲渡の仕組み変更

相続発生から30日以内に認可申請をすれば営業継続が可能になりました。相続以外では事前認可ができるようになりました。

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2. 建設業法の詳細

建設業法で定められているルールのなかでも主要なのは、「建設業の許可制」「建設工事の請負契約に関する規制」「主任技術者・監理技術者の設置」の3点です。それぞれについて詳しく解説します。

建設業の許可制

建設業を営む場合、1つの都道府県に営業所を設置する場合は都道府県知事、2以上の都道府県に営業所を設置するときは国土交通大臣の許可が必要です。

特定建設業許可が必要な場合

発注者から直接工事を請け負って、4,500万円以上 (建築一式の場合は7,000万円以上)を下請契約して工事を施工する場合に必要となります。

一般建設業許可が必要な場合

特定建設業許可以外の場合は、一般建設業許可が必要となります。

許可が不要な場合(軽微な建設工事)

ただし、次のような軽微な建設工事のみ請負う場合は許可はいりません。
・1件の請負金額が500万円未満(建築一式工事の場合は1500万円未満)の工事
・建築一式工事のうち、のべ面積が150㎡未満の木造住宅を建設する工事

建設業法における見積期間

建設業法では、随時契約の場合は契約締結までに、競争入札の場合は入札までに作成し、交付しなければならないと定められています。また、契約金額に応じて所定の見積期間を設ける必要があります。

見積期間は次のように定められています。
・工事価格500万円未満の場合、中1日以上
・工事価格500万円以上~5,000万円未満の場合、中10日以上*
・工事価格5,000万円以上の場合、中15日以上*

*やむを得ない事情がある場合は5日以内に限り短縮できます。

建設工事の請負契約に対する規制

建設工事請負契約とは、請負人(建設業者)が建設工事の施工を請負い、注文者がその結果に対して料金を支払う契約のことです。建設業法では、建設工事請負契約について、次のようなルールを定めています。

建設工事の書面の交付(建設業法19条)

契約の締結の際には、定められた事項を書面に記載して、署名か記名押印をして相互に交付する必要があります。

現場代理人の選任等に関する通知(建設業法19条の2第1項・3項)

建設工事現場に建設業者が現場代理人を、また注文者が監督員を置く場合、その権限や意見の申出方法については、相手方にあらかじめ書面で通知する必要があります。

注文者の禁止行為(第19条の3~5)

注文者が建設業者に対して、不当に低い額、不当に短い工期で契約を締結することを禁止しています。また、不当な使用資材や機械器具などの購入を強制することを禁止しています。

建設工事の見積り等(建設業法20条2項・3項)

建設工事の見積りは工事費の内容を明らかにし、請負契約が成立するまでに交付する必要があります。また、見積りを依頼する際は、一定の期間を設けなくてはなりません。

工期等に影響を及ぼす事象に関する情報の提供(建設業法20条の2、建設業法施行規則13条の14)

騒音等周辺に配慮が必要な場合は、請負契約締結するまでに、その旨を建設業者に提供しなければなりません。

契約の保証(建設業法21条)

注文者が建設業者に前払金を支払う場合、軽微な建設工事を除いて、注文者に保証人を立てることを請求する権利を認めています。建設業者は請求があった場合、保証人を立てる必要があります。

一括下請負(丸投げ)の禁止(建設業法22条)

例外を除き、建設業者は請負った工事を一括して他人に丸投げしてはいけません。違反をすると、営業停止処分になります。

下請負人の変更請求(建設業法23条)

下請負人が工事の施工について不適当と認められる場合、注文者は建設業者に対してその下請負人の変更を要求することができます。

工事監理に関する報告(建設業法23条の2)

建築士から設計図書通りに工事をするように求められたものの、それに従わない理由があるときは、注文者に理由を報告しなければなりません。

元請負人の義務(建設業法24条の2~24条の8)

元請負人は、請負った建設工事の施工に必要な工程や作業方法などを定めるときは、あらかじめ、下請負人の意見を聞く必要があります。

主任技術者・監理技術者の設置

建設業者は、工事現場に主任技術者を設置しなくてはいけません。また、請負金額が一定以上の場合、監理技術者の設置が必要です。
発注者から直接建築工事を請け負った特定建設業者は、下請契約金額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)になる場合、監理技術者を置く必要があります。また、公共工事などのうち、請負代金額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)の場合は、工事現場ごとに専任の主任技術者と監理技術者を設置しなければなりませんが、専任の監理技術者補佐を工事現場ごとに配置すれば、監理技術者は最大2つの工事現場まで兼務が可能です。

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3. 建設業法の違反時の罰則

建設業法に違反すると罰則を受けることがあります。どのような罰則があるのか、詳しく見ていきましょう。

3年以下の懲役または300万円以下の罰金

  • 建設業許可を受けずに建設業を営んだ場合
  • 特定建設業許可を受けずに下請契約を締結した場合
  • 営業停止、営業禁止処分に違反した場合
  • 不正に建設業許可を取得、更新した場合

6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金

  • 建設業許可の申請書に虚偽があった場合
  • 必要な変更届を提出しなかった場合
  • 経営状況分析や経営規模等評価に虚偽の記載があった場合

100万円以下の罰金

  • 主任技術者や監理技術者を置かなかった場合
  • 経営状況分析や経営規模等評価に際し、報告義務を怠たる、あるいは虚偽の報告をした場合
  • 都道府県知事や中小企業庁長官の立ち入り調査に際して、検査の拒否した場合

10万円以下の過料

  • 許可を受けた建設業を廃止してから30日以内に届けを出さなかった場合
  • 営業所ごとの帳簿を備えていない場合、あるいは帳簿に虚偽を記載した場合
  • 帳簿を保存していない場合
  • 営業所や工事現場ごとに建設業の名称を記載した標識を掲げなかった場合

刑罰とは別に、許可行政庁による監督処分として指示処分、営業停止処分、許可取消処分などを受けることもあります。建設業法違反によって、罰金以上の刑罰を受けると建設業許可を取消され、その日から5年間は建設業許可を取得できなくなります。経営に大きな影響を与えるため、建設業法を遵守することが大切です。

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