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国土交通省が推進する「NETIS(ネティス)」とは?

令和5年度から、国土交通省の直轄工事では新技術情報を集めたデータベース「NETIS(ネティス)」に登録されている新技術の活用が義務付けられました。NETISとは何か、NETISを活用することで得られるメリット、NETISの利用方法や検索の仕方について、実際に登録されている製品の紹介とあわせて詳しく解説します。

この記事はこんな読者におすすめ

  • NETISとは何か知りたい
  • NETISを利用するとどんなメリットがあるのか
  • NETISを利用したいが使い方がわからない
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1. NETIS(ネティス)とは

国土交通省が、公共工事などで活用されることを目的として、民間が開発した新技術の情報をデータベースにまとめたものが、新技術情報提供システムです。このシステムはNETIS(New Technology Information System)はネティスと呼ばれます。NETISには民間企業などが開発したさまざまな新技術や製品が登録されており、誰でも検索・閲覧が可能となっています。

NETISの目的は、登録された新技術を活用して工事の効率化と生産性の向上を図り、建設従事者の待遇改善を通じて働き手を増やすこと、さらには技術力の強化により工事現場のを省人化・無人化を推進することを目指しております。していくことにあります。

令和5年度には、一部の工事を除き、国土交通省の直轄工事においてNETISに登録された技術の活用が原則義務化されています。

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2. NETIS登録製品利用時のメリット

施工者がNETISに登録された新技術を積極的に活用することで、以下のようなメリットが得られます。

有用な最新技術を利用できる

NETISには、有用性がまだ評価されていない新しい技術から、施工結果の評価を受けた技術まで、開発後およそ10年以内の新しい技術製品が約3,000件登録されています。これらの新技術以外にも「推奨技術」「準推奨技術」「活用促進技術」など、実際に活用された結果、その有用性が認められた最新技術を利用することもできます。

これらの新技術を活用することで、工期の短縮やコスト削減、安全性・施工性の向上、環境負荷の軽減、現場周辺のクレーム対策など、さまざまな課題への効果が期待できます。

工事成績評定において加点を得られる

NETISに登録された技術を活用する最大のメリットは、工事成績評定において以下の2つの側面で加点が得られることです。

① 活用する技術がNETISで事後評価を受けているか、受けていないか
② 実際に活用した効果の程度

事後評価を受けていない技術の場合、活用した効果に応じて最高3点の評価点が得られます。例えば、大幅な工期の短縮や飛躍的な施工の効率化など、「活用の効果が相当程度」あった場合は3点、従来技術と比較して効果は認められるものの工事全体への影響が小さく、「効果が一定程度」とされる場合は2点、効果が従来技術と同程度の場合は1点となります。

視点① 事後評価の有無

視点② 効果の程度

点数

事後評価を受けていない

相当程度

3

一定程度

2

従来技術と同程度

1

事後評価を受けている技術の場合は、活用した効果があった場合のみ点数が得られます。効果が相当程度あった場合は2点、一定程度の場合は1点、従来技術と同程度の場合は0点です。ただし、活用する技術が「有用な技術(推奨技術、準推奨技術)」の場合は、効果に関わらず1点がプラスされます。

視点① 事後評価の有無

視点② 効果の程度

点数(+有用技術点)

事後評価を受けている

相当程度

2(+1)

一定程度

1(+1)

従来技術と同程度

0(+1)

ただし、工事成績評定の評価を行う「技術検査官」「総括監督員」「主任技術評価官」の中で、NETIS登録技術の評価を行うのは主任技術評価官のみです。そのため、実際の工事成績評定には、評価点に主任技術評価官の評価割合40%をかけた点数が加点されます。つまり、評価点が3点の場合、実際に加点されるのは3×40%=1.2点です。

総合評価落札方式において加点を得られる

価格だけでなく技術提案や技術力も評価される「総合評価落札方式」においても、NETIS技術は加点対象となります。ただし、明確な点数が全国一律で決められているわけではなく、加点の仕組みは地方整備局ごとに異なります。そのため、詳細については該当する整備局に問い合わせる必要があります。

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3. NETISにおける検索方法

ここでは、実際にNETISで新技術を検索する方法を簡単に説明します。詳しい操作方法については、NETISの検索画面「マニュアル/FAQ」タブに掲載されている「マニュアル」「簡易マニュアル」をダウンロードしてください。
NETIS URL https://www.netis.mlit.go.jp/NETIS

初回アクセス時の画面

初めてNETISにアクセスすると、以下の画面が表示されます。この画面では利用者の属性と利用上の注意事項が示されています。ご自身の職種に最も近い分野を選択し、利用上の注意に同意すると、NETISの検索画面に進みます。

トップページ/新技術の検索

この画面では左側に新技術の検索ウインドウ、右側には新着情報や記者発表資料、CO2削減関連技術などが表示されます。また、ページ下部には新着技術が画像付きで表示されます。

検索条件の入力ウインドウでは、以下の項目を指定して検索することができます。

  • 検索キーワード
  • 工種分類
  • 有用な新技術の選択
  • 旧実施要領での技術の位置付け
  • 新技術に期待する効果

さらに詳細な条件を設定したい場合は、「▼他の条件を表示」ボタンをクリックすることで、以下の項目が表示されます。

  • 検索対象
  • 評価点
  • 評価情報
  • 技術の区分
  • キーワード

工種分類一覧

工種別に絞り込む際の分類は4段階に分かれています。検索ウインドウ右側の「工種別分類一覧」をクリックすると一覧表が開き、4段階のレベルごとに確認することができます。

各選択項目の説明

「有用な新技術の選択」「旧実施要領での技術の位置付け」「検索対象」については、それぞれの右側にある「説明」をクリックすることで内容の説明ウインドウが開きます。

「有用な新技術の選択」の説明ウインドウ

「旧実施要領での技術の位置付け」の説明ウインドウ

「検索対象」の説明ウインドウ

検索結果の一覧表示

検索結果は一覧表示されます。「表示項目の選択」ボタンで、表示される項目を変更することができます。また、一覧のCSV出力や画面の印刷も各ボタンから行うことができます。

「表示項目の設定」初期画面

個別技術の概要説明画面

検索一覧表示画面で個別の新技術名をクリックすると、その技術の概要を説明する画面に移動します。この画面では「新技術概要説明情報」「類似技術」が表示されるほか、タブの選択により、「従来技術との比較」「特許・審査証明」「単価・施工方法」「問い合わせ先・その他」「詳細説明資料」を表示できます。

タブの選択で個々の情報が表示されます。

新技術の比較表示

検索結果の新技術名の左にあるチェックボックスにチェックを入れ、「選択中の技術」ボタンをクリックすると、選択した技術のみ一覧表示できます。また、チェックボックス上部の「比較」ボタンを使用すると選択した技術の比較表示がされます。

その他のタブ

NETISには新技術の検索以外にも以下の機能があり、それぞれのタブからアクセスできます。

  • 「登録申請/変更・更新/事前相談」タブ:登録申請書の作成や変更が可能です。(主に開発者向け)
  • 「活用効果調査票/活用計画書」タブ:新技術を活用する際の計画書、活用後の実施報告書や活用効果調査票の作成が可能です。また、試行申請用の様式をダウンロードできます。
  • 「テーマ設定型の比較表」タブ:技術公募情報のテーマ比較覧です。(主に開発者向け)
  • 「マッチング」タブ:現場ニーズと技術シーズのマッチング一覧と公募要領などが掲載されています。
  • 「維持管理技術ページ」タブ:登録情報に「維持管理NETIS」の項目がある、維持管理に活用可能な新技術が一覧表示されます。
  • 「震災復旧・復興支援技術ページ」タブ:登録情報に「震災NETIS」の項目がある、震災復旧・復興に活用可能な新技術が一覧表示されます。
  • 「NETIS活用状況データベース」タブ:NETISの活用状況をグラフ形式で確認できるページです。
  • 「マニュアル・FAQ」タブ:NETISに関するパンフレットや申請関連の資料、NETISの操作マニュアルなどがダウンロードできます。また、よくある質問をキーワードから検索することができます。
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4. NETIS登録番号の意味

新技術がNETISに登録されると、その技術固有の登録番号が付与されます。登録番号のアルファベット・数字は以下の意味があります。

  1. 先頭のアルファベット2文字は登録された地方整備局の略号
    HK(北海道)TH(東北)HR(北陸)KT(関東)CB(中部)
    KK(近畿)CG(中国) SK(四国)QS(九州)OK(沖縄)
  2. 最初の数字2桁は登録された年度
    例)2023年度=23
  3. 残り4桁の数字は登録順に付与される連番
    例)62番目=0062、100番目=0100
  4. 末尾のアルファベットは評価情報別の記号
    -A … 活用効果の評価が未実施の技術
    -VR … 活用効果の評価が実施され、継続調査の対象とされた技術
    -VE … 活用効果の評価が実施され、継続調査が不要とされた技術
    -AG,-VG … NETISでの掲載期間が終了した技術(非公開記号)

登録番号末尾が「-A」の技術は比較的最近登録された新しい技術が多く、積極的に活用することで工事成績評定の点数が最高の3点に達する可能性が高くなります。

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5. NETIS登録のBANKEN

NETISに登録されている製品の具体例として、顔認証を用いた入退場管理機器「BANKEN FACE」と現場内での情報共有デジタルサイネージ「BANKENサイネージ」をご紹介します。

顔認証機器「BANKEN FACE」を用いた入退場管理システム

NETIS上のアブストラクト(概要)

「本技術は顔認証機器を用いた入退場管理システムで、従来は、現場等における人による入退場管理で対応していた。本技術の活用により、台帳への記入作業が不要となるため、施工性の向上が図れる。」

「BANKEN FACE」はAIを使用した顔認証入退場管理機器で、カメラに顔を向けるだけで瞬時に入退場データがシステム上に登録されます。顔認証と同時に体表面温度を計測できるため、作業者の体調を把握するとともに、感染症対策にも有効です。ヘルメットやマスクを着用したままでも認証できるため、入退場時に余計な手間と時間をかけずに済みます。

入退場管理クラウド「Buildee」と連携することで、従業履歴情報をCCUS(建設キャリアアップシステム)に自動登録することが可能です。

建設現場向けデジタルサイネージシステム「BANKENサイネージ」

NETIS上のアブストラクト(概要)

「本技術は、ディスプレイに表示されるコンテンツを自動配信するデジタルサイネージシステムで、従来は、安全衛生掲示板で対応していた。本技術の活用により、一括で複数の現場に情報を配信でき、掲示情報の準備、更新の手間と時間が低減できるため、施工性の向上が図れる。」

「BANKENサイネージ」は、現場内に設置された大型ディスプレイに、揚重機やゲートの予定、作業予定や現場配置図面など、さまざまな情報を表示することで、情報共有や作業者への指示が効率よく行えるデジタルサイネージシステムです。

現場管理クラウドの「Buildeeシリーズ」と連携することで労務安全や各種予定時間などの表示コンテンツをかんたんに作成できます。作成したコンテンツはあらかじめ設定したスケジュール通りに自動で配信できるほか、本社からすべての現場への一斉配信や、支店や現場事務所からの配信も可能です。

従来の掲示板と異なりリアルタイムで表示内容が変更できるので、本技術を活用することにより、施工の効率化と作業時間の短縮が図れます。

「BANKEN FACE」と「BANKENサイネージ」の詳しい情報は以下のウェブサイトから入手できます。

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